自民党が300議席を超えて大勝すると言われているが、
それはわしの『新戦争論1』にとっては悪い結果ではない。
安倍政権が続いていて、株主資本主義がもっと格差を拡大させ、
軍事的には親米ポチ路線がさらに進み、憎悪のナショナリズム
が幅をきかせる社会を前提にして、描いているからだ。
『大東亜論』だって、作品の意義はこれから大きくなっていく
のだから、悪くはない。
だが本が売れるからというのは、「私」的な欲望である。
「公」的には、一般庶民が生活苦にあえぎ、次世代に借金を
つけ回しして、少子化が加速度的に進む社会になるので、
気の毒で心苦しい。
けれどもそれを国民が望むから自民党に入れるのだろうから、
仕方がないではないか。
出口戦略もなしに、満州事変や支那事変から米英仏蘭との開戦で、
アジアに異次元規模の軍隊を派遣して、「神風が吹く」と叫んで
敗戦した戦前と、現在の状況はよく似ている。
社会は最悪になる、わしの単行本は売れる、これは喜ぶべき状況
なのだろうか?